中古MacBook Pro / Airの訳あり品を安く買うコツ

状態が様々な中古Macは、不具合が発生しているために格安で販売されていることがあります。
中古のMacBook ProやMacBook Airのよくある不具合・不良・故障について、購入して良い内容なのか解説します。

よくある不良内容とその見極め方

OSの再インストールができない

macはインターネット経由でリカバリが可能なのですが、macOS Lion 10.9などの古いOSをリカバリしようとすると「インストールできるパッケージがありません」とエラーが出て、リカバリに失敗するケースがあります。リカバリ前に本体にインストールされていたOSのバージョンがmacOS High Sierra 10.13.6よりも古い場合、インターネット経由でのリカバリができなくなってしまうようです。

この場合、別のmacをお持ちであれば、対処できる可能性があります。別のmacでAppleのサイトからmacOSのインストーラをダウンロードして、USBメモリや外付けUSB HDDなどに「macOSの起動可能なインストーラ」を作成します。リカバリに失敗したmacに「macOSの起動可能なインストーラ」を接続すれば、正常に再インストールが行えます。

(外部リンク)Apple:macOS の起動可能なインストーラを作成する方法

「macOSの起動可能なインストーラ」をメルカリで販売されている方もいるようです(macOSをコピーして売るのはダメだと思いますが)。100%成功する方法とは言えませんが、筆者は成功した経験があり、試してみる価値はあると思います。

SSDまたはHDDが取り外されている

個人情報保護のため、SSDやHDDが取り外されている中古品もよく見かけます。
容量の大きなSSDへの変更を予定していた方には、元の小容量のSSDは不要なので、逆にメリットと言えるかもしれません。

ただし、他人がパソコン内部にアクセスしている訳で、取り外した際に静電気などでマザーボードが故障していることもありえます。
SSDが無い状態で電源を投入して、?マーク付きのフォルダが表示されることまでは最低限確認した方が良いでしょう。

また、こう言った本体は当然OSが入っていないので、自分でmacOSのリカバリを実施する必要があります。インターネット経由で簡単にリカバリが可能ですが、古いOSしかリカバリできない場合は「macOSの起動可能なインストーラ」が入ったUSBメモリなどが必要となる場合もありますので注意しましょう。

電源が入らない

パソコンの知識がある上級者でも、原因を突き止めるのに相当の時間を要します。
中古品として購入するのはやめましょう。

充電器(ACアダプタ)の接触が悪い

充電器から伸びているケーブルの根本部分に被膜破れなどの損傷がある中古品をよく見かけます。

損傷が軽微であれば、100均でも買える絶縁テープ(ビニールテープ)で補修すればOKです。

充電したりしなかったりする場合や、そもそも充電器が付属しない場合は、代わりの充電器を探しましょう。

充電器(ACアダプタ)が付属しない

充電器はモデルによってコネクタが異なり、Magsafe1、Magsefe2、USB-C(PD)の3種類が存在します。また、同じコネクタでも機種によって出力が異なり、45W(MacBook Air)、60W(MacBook Pro 13)、85W(MacBook Pro 15/17)の3種類が存在します。なお、大きな出力の充電器は下位機種にも使用可能です。

Apple純正の充電器は、今でもAppleから新品を購入できます。また、フリマサイトで充電器単品を購入することも可能です。Amazonでは互換充電器も販売されています。くれぐれもモデルに適合した充電器を探してください。

突然再起動する時がある

ここ10年ぐらいのmacはOSが安定し、突然再起動することは稀になっています。

ソフトウェアに起因するものであれば、初期化してOSをクリーンインストールすれば、改善する見込みがあります。
ハードウェア起因だと、最悪マザーボードの交換が必要になります。

リスクが高いので、中古品としての購入は避けておいた方が賢明です。

バッテリーの充放電回数が500回を越えている

純正のバッテリーは、およそ1000回の充放電に耐えられる設計になっています。

充放電回数が1000回に近い中古品は、バッテリーの交換を前提に購入しましょう。
Amazonで比較的安価な互換バッテリーが販売されています。

充放電回数が多くても、バッテリー容量の減少(劣化)がそれほど進んでいない中古品もあります。
逆に充放電回数が少なくても、バッテリー容量が著しく減少している中古品もあります。

システムレポートに表示されるバッテリーの”状態”と”完全充電時の容量”を確認しましょう。

バッテリーの「修理サービス推奨」警告が出ている

満充電時のバッテリー容量が本来の容量の80%を下回ったぐらいから、バッテリー交換推奨メッセージが出るようです。

バッテリー駆動時間が短くなっていますが、細かく充電してやれば動作に問題のない状況です。

バッテリーは使用と共に必ず劣化する物です。中古品では仕方のない警告として受け入れましょう。

長時間のバッテリー駆動が必要な方は、Amazonなどで入手できる互換バッテリーに交換することで改善が見込めます。

バッテリーが膨張している

よく見られる症状です。リチウムイオン電池では避けられない症状と言って良いでしょう。

バッテリー膨張により、本体に歪みが発生して、底面の蓋が閉まりきらない場合や本体を机の上に置くとガタつく場合もあります。
症状が悪化するとトラックパッドの動作に異常をきたす場合があるので、バッテリーの交換を前提に購入しましょう。

Amazonで比較的安価な互換バッテリーが販売されています。

バッテリーが充電できない

長期間使用していなかったことにより、バッテリーが完全に放電(劣化)してしまったか、本体側のバッテリー制御基板の異常が疑われます。

ノートパソコンは、電源を落とさずにスリープさせて使用することが多く、スリープ中に充電器が外れて電源断による異常終了となるリスクを考えると、修理したほうが良いでしょう。

バッテリー側の問題であればAmazonなどで入手できる互換バッテリーに交換することで改善が見込めます。
本体の基板異常だった場合は基板交換が必要で修理難易度が高くなります。

バッテリーが充電できない中古品や、バッテリー駆動ができない中古品は、リスクがあるので購入しない方が賢明でしょう。

ディスプレイに常に縦線が表示されている

本体のハードウェア異常に起因するものと思われます。

一部の表示がおかしいだけでも、ディスプレイと本体を繋ぐヒンジ部の劣化と共に、表示異常が広がったり、画面が付かなくなる可能性もあります。

配線の交換、または、ディスプレイユニットの交換が必要となり、修理が高額になりますので、中古品としての購入は避けましょう。

電源を投入してもディスプレイが映らない

ディスプレイが全く映らない場合は、液晶パネルの故障、バックライトの故障、または配線系の断線が疑われます。

配線の交換、または、ディスプレイユニットの交換が必要となり、修理が高額になりますので、中古品としての購入は避けましょう。

ディスプレイに画素抜けがある

画素抜けとは、液晶製造時に発生する輝点や黒点と呼ばれるもので、新品で購入したパソコンにも見られるものです。
輝点は常に光って表示される画素で、黒点は逆に光らない画素です。
これらは、数画素程度であれば不良としないメーカーがほとんどです。

購入前に存在が分かっている場合、気になる方は購入を控えましょう。
中古品が届いてから分かった場合、運が悪かったと諦めましょう。

ディスプレイに輝度ムラが見られる

輝度ムラや色味の異常は、シミのようなホワイトスポットを含め、実際に見てみないと程度が分かりにくい不良です。

感じ方には個人差があるので、販売する側がそれほど目立たないと言っても、購入者は気になるレベルの時もあります。

写真で分からない程度なら実用上問題ないことも多いですが、購入するなら覚悟して購入しましょう。

ディスプレイのコーティングが剥がれている

ディスプレイのアンチグレアコーティングの剥がれは、Retinaディスプレイで頻発している不良です。画面に拭いても取れない汚れがある場合は、コーティング剥がれが原因でしょう。キーボード跡として現れる場合もあります。

ディスプレイが明るい時は目立ちませんが、暗い画面や電源をオフにすると取れない汚れのように現れてきます。
海外ではStaingate問題として認知され、macrumorsでは写真付きで解説されています。

(外部リンク)macrumors : Retina MacBook Pro Users Complain of Anti-Reflective Display Coating Wearing Off

また、内蔵カメラ付近にコーティング剥がれが発生すると、内蔵カメラの映像が曇ってしまう場合があります。

コーティング剥がれの無い、もしくは少ない中古品を探すのが望ましいと言えます。

非公式ながら、以下のモデルにコーティング剥がれが発生した場合、購入から4年以内に申し出ればAppleに無償修理してもらえるようです。逆に言えば、以下のモデルはコーティング剥がれが発生しやすいと捉えることができます。フリマサイトや中古ショップでも、特に2013年から2015年のモデルでコーティング剥がれのある中古品が多く出回っています。

• MacBook Pro (13-inch, Late 2012)
• MacBook Pro (13-inch, Early 2013)
• MacBook Pro (15-inch, Early 2013)
• MacBook Pro (13-inch, Late 2013)
• MacBook Pro (15-inch, Late 2013)
• MacBook Pro (13-inch, Mid 2014)
• MacBook Pro (15-inch, Mid 2014)
• MacBook Pro (13-inch, Early 2015)
• MacBook Pro (15-inch, Mid 2015)
• MacBook Pro (13-inch, 2016)
• MacBook Pro (15-inch, 2016)
• MacBook Pro (13-inch, 2017)
• MacBook Pro (15-inch, 2017)
• MacBook (12-inch, Early 2015)
• MacBook (12-inch, Early 2016)
• MacBook (12-inch, Early 2017)
(MacBook AirのRetinaディスプレイモデルにも発生の可能性があると言われています)

多くのモデルが発売から4年を超えており、無償修理を受けることは難しくなっていますが、試しにAppleサポートに相談してみる価値はあります。

中途半端に剥がれているから目立つのであって、リステリンを使ってディスプレイ全体のコーティングを故意に剥がして、見た目を綺麗にすることもできます。
いずれもgoogleで「Macbook Pro コーティング剥がれ」で検索すると、実際の経験談が読めますので参考にしてください。

キーボードの一部のキートップが外れている

MacBook系のキーボード修理は上面パネルのユニット交換となり、難易度が高くなっています。

代わりのキートップを用意できても、本体側の留め具のプラスチックが割れていると、キートップはすぐに外れてしまいます。

本体のキーボードは使わず、USBやBluetoothキーボードしか使わないと言う方以外は、キーボードに不良がある中古品の購入は避けましょう。

キーボードにテカリがある、印字が剥げている

テカリや印字剥げは見た目の問題ですので、機能的には購入しても全く問題ありません。

Apple修理サービスに持ち込めば、無料でキートップを交換してもらえる場合もあります。

また、千円程度のキートップシールを貼ることでも解決できます。

キーボード入力に問題がある

以下の場合を除き、修理が高額になるため、キーボード入力に不具合のある中古品は購入しない方が良いでしょう。

「キーボードで入力した文字が勝手に反復入力される」「キーボードの押したキーがスムーズに跳ね返ってこない」「キーボードのキーを押した時の反応が一定しない」といった不良は、Apple公式の修理プログラムの対象になっており、購入から4年間は無償修理が可能です。

(外部リンク)Apple : MacBook、MacBook Air、MacBook Pro キーボード修理プログラム

対象となるモデルは以下のとおりです。

MacBook (Retina, 12-­inch, Early 2015)
MacBook (Retina, 12­-inch, Early 2016)
MacBook (Retina, 12-­inch, 2017)
MacBook Air (Retina, 13-inch, 2018)
MacBook Air (Retina, 13-inch, 2019)
MacBook Pro (13­-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)
MacBook Pro (13-­inch, 2017, Two Thunderbolt 3 Ports)
MacBook Pro (13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 ports)
MacBook Pro (13-­inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
MacBook Pro (13-­inch, 2017, Four Thunderbolt 3 Ports)
MacBook Pro (15-­inch, 2016)
MacBook Pro (15-­inch, 2017)
MacBook Pro (13-inch, 2018, Four Thunderbolt 3 Ports)
MacBook Pro (15-­inch, 2018)
MacBook Pro (13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 Ports)
MacBook Pro (15-­inch, 2019)

キー入力不良がある場合、販売者にApple公式修理プログラムの存在を伝え、修理してもらってから購入するのがベストです。

発売から4年以上経過したモデルは、無償修理の対象外のため、キー入力不良がある中古品は避けた方が良いでしょう。

トラックパッドによる操作ができない

トラックパッドの不良は、修理が高額になります。

トラックパッドのクリックがしづらい場合は、バッテリー膨張に起因するケースが多いです。

トラックパッド異常が発生すると、Amazonなどで入手できる互換バッテリーに交換しても、100%直るとは限りません。

本体のトラックパッドは使わず、USBやBluetoothマウスしか使わないと言う方以外は、トラックパッドに不良がある中古品の購入は避けましょう。

スピーカーから割れた音が出力される

スピーカーユニットの故障が疑われます。

ミュート状態で使用する、ヘッドホンを使用する、Bluetoothスピーカーを使用するなど、回避方法はあります。

また、MacBook系のスピーカーユニットは、Amazonなどで互換パーツを入手して、自分で交換することが可能です。

USB端子が片方使えない

物理的なUSB端子の破損が疑われます。修理は高額なので諦めた方が無難です。

USBハブを使うことでUSB端子数を増やせるので、片側だけの不良であれば、実使用においてそれほど問題にならないでしょう。

全てのUSB端子が不良の場合、購入を避けましょう。

Wi-Fiに接続できない

本体のハードウェア異常に起因するものと思われます。修理には高額費用が見込まれます。

USB無線子機を使用すればWi-Fi接続可能になりますが、不便なのでWi-Fi接続できない中古品は購入を避けた方が良いでしょう。

内蔵カメラが使用できません

ディスプレイの上部にあるFaceTime HDカメラの不良です。

テレワークでよく使われるZoomやTeamsなど、Web会議に参加する時に内蔵カメラが活躍します。

USB接続型のWebカメラで代替が可能です。

内蔵カメラ(Facetime HDカメラ)の映像が曇っている

内蔵カメラの不良以外に、ディスプレイのコーティング剥がれによって、内蔵カメラの映像が曇ってしまう場合があります。

USB接続型のWebカメラで代替が可能です。

DVDドライブが使えない

DVDの読み出しができない、書き込みができない、ディスクの挿入ができない、ディスクがイジェクトできないなど、様々な不良があります。

SuperDriveを内蔵したモデルは発売から年数が経っており、SuperDriveそのものがスロットイン方式でホコリが入りやすい構造でもあるので、不良が起こりやすい部分です。

USB接続の外付けDVD Driveで代用可能ですし、仕方のない不良と言えるでしょう。

SDカードを挿しても認識されない

USB接続のSDカードリーダーは、100均でも売っています。

簡単に別手段を用意できますので、購入しても問題ない不良と言えます。

内蔵SSD容量が小さく、JetDriveなどのメディアを恒常的に使いたい方は、SDカードスロットが必要です。

外観に大きな凹みがある

凹みやキズがあったり、上面にたくさんシールが貼ってある中古品をよく見かけます。
動作に問題なければ、外観に関する事項は問題ない不良と言えます。

どうしても気になる場合は、ハードケースを使えば、外側の傷や凹みを隠せます。
内側の汚れも、保護シールを貼れば隠せます。

底面のネジの一部が無くなっている

裏蓋が固定できていれば、問題ありません。

気になる場合は、Amazonでネジを購入することが可能です。

底面にある黒いゴムが剥がれて無くなっている

ゴム足部分には穴が開いており、パソコン内部にゴミが入り込む可能性があります。

純正と同じ形状のゴム足が、Amazonで販売されています。

パソコン本体は熱を持つため、ゴムが溶けてネバネバしてくることがあります。定期的に確認して、新しいものに交換するようにしましょう。

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