外付けSSD/ポータブルSSDを分解して、2.5inch SATA SSDを取り出す

最近の高速SSDはNVMe PCIe M.2タイプが主流になっていますが、古いPCのアップグレードに使える2.5inch SATAタイプもまだまだ人気があります。ポータブルSSD、USB接続SSDとして販売されている外付けSSDを分解して、2.5inch SATA SSDを取り出してみましょう。言うまでもなく、分解するとメーカーサポートを受けられなくなりますので、自己責任でお願いします。

BUFFALO SSD-PGU3シリーズ

以下の型番のバッファロー製外付けSSDには、内部に厚さ7mmの2.5inch SATA SSDが使用されています。2021年時点の現行製品で、確実に2.5inch SSDが採用されている貴重な製品です。

  • SSD-PG120U3-B/NL, SSD-PG120U3-BA, SSD-PG120U3-WA
  • SSD-PG240U3-B/NL, SSD-PG240U3-BA, SSD-PG240U3-WA
  • SSD-PG480U3-B/NL, SSD-PG480U3-BA, SSD-PG480U3-WA
  • SSD-PG960U3-BA, SSD-PG960U3-WA
  • SSD-PG1.0U3-B/NL
  • SSD-PG1.9U3-B/NL, SSD-PG1.9U3-BA, SSD-PG1.9U3-WA

型番末尾が”NL”のモデルはAmazonなど特定販売店向け、”A”のモデルは一般販売店向けです。

今回、2台のSSD-PG480U3-B/NLの中身を調べてみました。

SSD-PG480U3-B/NL<1台目>

以下は、WindowsマシンでCrystalDiskInfoを使って表示された情報です。まずは1台目です。

ADATA SU630と表示されているので、ASU630SS-480GQ-Rが使用されているようです。DRAMキャッシュレスで、コントローラは非公開(Silicon Motion社のSM2259XT、またはMaxiotek社(JMicron社)のMAS0902A)。ファームウェアから今回はおそらくSM2259XT。NANDフラッシュは3D QLCタイプが使用されています。

SSD-PG480U3-B/NL<2台目>

続けて2台目のCrystalDiskInfoの結果です。こちらはBUFFALOとしか表示されず、詳細は分かりませんでした。

そこで、2台目のSSD-PG480U3-B/NLを分解してみました。まずはケースを殻割りした写真です。ここからは、2.5inch SSDの印字は見えません。

取り出した2.5insh SATA SSDです。ラベルから製造メーカーは全くわかりません。コントローラにはSilicon Motion社の「SM2259XT」(DRAMキャッシュレス)が使われているようです。Crucial BX500に使われているコントローラ「SM2258XT」より新しいチップです。またNANDフラッシュにはQLCタイプが使用されているようです。

TLCモデルもある?

今回調査したSSD-PG480U3-B/NLは、異なる2.5inch SATA SSDが採用されていましたが、どちらもQLCタイプのNANDフラッシュを採用したものでした。

私が調べた限り、SSD-PG480U3-BAにPhison社PS3111-S11コントローラと東芝製3D TLC NANDフラッシュを使った2.5inch SATA SSDが内蔵されていたというレビューがありました。

型番末尾の”/NL”(Amazonなど特定販売店向け)と、”A”(一般販売品)で、搭載しているSSDが異なっている可能性があります。製造時期によって搭載されているSSDが変わっているだけかもしれませんが、TLCタイプが欲しいなら型番末尾が”A”のモデルを狙った方が良さそうです。

おまけ SATA-USB3.0変換アダプター

SATA-USB3.0変換アダプターの写真です。MediaLogic社のMLDU3Lチップが使用されています。

SATA-USB3.0変換アダプターの裏面側です。

BUFFALO SSD-PLU3シリーズ

以下の型番のバッファロー製外付けSSDには、内部に厚さ7mmの2.5inch SATA SSDが使用されています。2017年発売のSSD-PLU3シリーズは、SSD-PGU3シリーズの旧モデルにあたり、新品の販売は終了しています。

  • SSD-PL120U3-BK, SSD-PL120U3-BK/N
  • SSD-PL240U3-BK, SSD-PL240U3-BK/N
  • SSD-PL480U3-BK, SSD-PL480U3-BK/N
  • SSD-PL960U3-BK, SSD-PL960U3-BK/N
  • SSD-PL1.9-BK/N

価格.comの掲示板に、SSD-PL120U3-BKを分解したレポートが上がっています。
以下は、転載です。

SSD-PL120U3-BKの中のSSDはBFLSSDS11-SB261というOEMもの。
ファームがSBFM61.2という事なので、コントローラーがS11のDRAMキャッシュレス。
NANDが東芝の3Dのようです。
KINGMAXやシリコンパワー、CFDの安いやつ(CG3VX)、グリーンハウスのと同等の仕様のSSDのようですね。

BUFFALO SSD-PUSU3シリーズ

以下の型番のバッファロー製外付けSSDには、内部に厚さ7mmの2.5inch SATA SSDが使用されています。2016年発売のSSD-PUSU3シリーズは、新品の販売を終了しています。

  • SSD-PUS240U3-B, SSD-PUS240U3-S
  • SSD-PUS480U3-B, SSD-PUS480U3-S
  • SSD-PUS960U3-B, SSD-PUS960U3-S

BUFFALOのブログで分解内容が紹介されています。使用されているSSDの詳細は不明です。以下は転載です。

2.5インチ、256GB、SATA3.0…これ以上の詳細については大人の事情にて控えさせていただきます。 m(_ _)m

外付けSSD、ポータブルSSDの中身の判別方法

外付けSSDのサイズが、2.5inch SATA SSDのサイズよりも大きければ、内部に2.5inch SATA SSDが使われている可能性が高くなります。一方、2.5inch SATA SSDのサイズよりも小さければ、内部に2.5inch SATA SSDが使われている可能性は無くなります。

最近の外付けSSDは、サイズが小さくなっており、2.5inch SATA SSDを採用した製品が少なくなっています。

2.5inch SATA SSD標準サイズと、外付けSSDのサイズ、2.5inch SATA SSD採用状況の一覧を以下に示します。アイオーデータの製品は、ネット上でも分解情報が無く、未確認となっています。

メーカー
モデル名

(mm)
奥行き
(mm)
厚み
(mm)
2.5inch
SSD採用
2.5inch SATA SSD
標準サイズ
69.85100.357or9
BUFFALO
SSD-PGU3シリーズ
7511711.5⭕️
BUFFALO
SSD-PLU3シリーズ
7611511.5⭕️
BUFFALO
SSD-PGCU3シリーズ
7511711.5可能性大
(未確認)
BUFFALO
SSD-PGTU3シリーズ
7511711.5可能性大
(未確認)
BUFFALO
SSD-PGMU3シリーズ
509510.9
BUFFALO
SSD-PSMU3シリーズ
3359.59.5
BUFFALO
SSD-PHU3-Aシリーズ
31.51039.8
(NVMe SSD)
BUFFALO
SSD-PMU3シリーズ
49.5809.5
BUFFALO
SSD-PUSU3シリーズ
791158.8⭕️
IO DATA
SSPV-USCシリーズ
467211
IO DATA
SSPF-USCシリーズ
4111310
(NVMe SSD?)
IO DATA
SSPG-USCBシリーズ
588813
IO DATA
SSPB-USCシリーズ
598913
IO DATA
SDPX-USCCシリーズ
7611412可能性あり
(未確認)
IO DATA
SSPH-UAシリーズ
808015
IO DATA
SSPH-UTシリーズ
808015
IO DATA
SSPX-GCシリーズ
761148.6可能性あり
(未確認)

サイズが小さい外付けSSDの中身は?

BUFFALO SSD-PMU3シリーズのSSD-PM120U3-Aを分解した記事がありました。
以下は転載です。

Buffaloの外付けSSD(SSD-PM120U3A-S)を分解したらSSDが入ってなかった

SATA-USB変換アダプターがなく、直接USB接続可能なSSD基板が使われています。もはやUSBメモリですね。もっと小型化できると思うのですが、耐衝撃性を優先した設計なのでしょうか。

この記事はここまでです。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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