Joy-Con修理キットの良し悪しは、付属の工具で見分ける

Joy-Conジョイコンのドリフト現象は、スティック部品の交換で直ります。中華業者が販売するJoy-Con修理キットをどう選べばいいのか、25in1とは何が含まれているのか、結局何を買えばいいのか、実際に私が買った時の選び方を解説します。

任天堂のJoy-Con修理費用

Joy-Conのスティック動作がおかしくなった場合、Switch本体またはJoy-Con単体を購入して1年以内ならメーカー保証で無償修理してもらえます。無償修理を受けるには、もちろん保証書やレシートが必要です。

有償修理の場合、Joy-Con1本あたり2,200円(税込)の修理費用がかかります。左右両方とも修理に出すと、2本分の 4,400円(税込)かかることになります。これら修理費用はメーカー公式ページで説明されています。

ちなみに、新品のJoy-Conは2本セットで定価8,228円(税込)、片側1本で定価4,114円です。販売店によっては多少値引きされていますが、おおよそ2本分の修理費用で新品が1本買えてしまいます。

費用以外に、往復の輸送を含め2週間程度の修理日数が掛かります。修理期間は、別のコントローラを用意しなければSwitchで遊べません。

Amazonなどで売られているJoy-Con修理キットは、交換部品と必要な工具類がセットになっており、手先が器用な方なら10分足らずでお家で修理が可能です。よほど自信が無い方を除いて、修理キットを買った方が安く早く直せます。

令和最新型に騙されるな

Amazonの検索欄に”joy-con 修理キット”と入力して出てくる検索結果は、「令和最新型」「2021最新型」といった中華業者特有の売り文句が目立ちます。正直、こういった文言は怪しさを増すだけだと思うのですが、「令和最新型」であろうがなかろうが、特に気にする必要はありません。

修理に必要なのは5点のみ

Joy-Con修理に必要なのは、以下の5点です。全て単品でも購入可能です。

  • 交換スティック部品
    以下の写真の部品。純正部品は流通していないので、互換部品となる。
      
  • Y字ドライバー
    サイズY00(Y1.5)の精密ドライバー。Y2.0でもOK。
  • プラスドライバー
    サイズ#00(+2.0)の精密ドライバー。磁気ドライバー※が必須。
  • ピンセット
    フィルムケーブルを抜くために使用。器用な方なら指の爪でもOK。
  • オープニングツール
    粘着テープで固定されているバッテリーを外すためのヘラ状の工具。
    金属製のマイナスドライバーだとバッテリーを破損させる可能性があるので、プラスチック製のツールを使うべき。クレジットカードなどを切って細くしたもので代用可能。

磁気ドライバーとは、先端が着磁してあるドライバーで、下図のように先端にネジが引っ付いてきます。Joy-Conの修理は細かい作業になるため、磁気ドライバーを使うと作業が格段に楽になります。

レビューによくある不具合

不具合事例から、どこに気をつけて商品を選べば良いのかが見えてきます。

工具が曲がった

ドライバーの持ち手部分が貧弱なため、力を入れすぎると、持ち手が曲がってしまうものがあるようです。丁寧に作業すれば防げる不具合だと思いますが、貧弱な工具ほど役に立たないものはありません。以下の画像は曲がったドライバーの一例です。(画像から避けた方がいい商品は分かりますよね?)

ネジがなめた

ドライバーの先端加工精度が悪いため、ネジ山(ネジの頭の切り込み)をなめてしまうケースがあります。丁寧に作業すれば防げる不具合だと思いますが、やはり貧弱な工具ほど役に立たないものはありません。

スティック部品が不良だった

スティック部品は互換品のため、不良が頻繁に発生しているようです。純正部品が流通していない以上、どの商品を買ってもリスクはあります。販売者側も分かっているのか、スティック部品は複数個ついている商品がほとんどです。

対策としては、修理時に全てのスティック部品の動作を確認しておくことでしょう。面倒ですが、不良品を見つけられれば、交換を依頼できます。

スティック部品の交換後は、ソフトウェアの調整作業が必要なことも忘れないようにしてください。補正処理で正しく動作するケースも多々あります。

26in1の中身

修理キットは様々な組み合わせのものが販売されており、「24in1」「25in1」「26in1」「29in1」「31in1」「32in1」などと謳われています。ぱっと見では一体何に使うのか分からないものもあるので、代表的なものについて解説します。

  • 交換用ネジ(Y字ネジとプラスネジ)
    Joy-Conのネジがなめてしまった時の交換用ネジです。丁寧に作業すれば不要です。
  • ピック、シール(オープニングツール)
    はめ込んである部分に差し込んで、こじ開けるためのプラスチック製の道具です。中の部品を壊さないよう深く差し込まないようにしましょう。あったら便利ですが、私のJoy-Conはネジを外しただけで開きました。右側の緑色の工具は、バッテリーを外す際にも使えます。
     
  • 取っ手付き吸盤
    液晶などを引っ張って取り外す道具です。Joy-Con修理には不要です。
  • ブラシ(ハケ)
    内部基板の清掃用と説明されていますが、Joy-Con修理には不要です。
  • 金属部品
    バックルロックと言われる部品です。Switch本体の左右にJoy-Conを差し込んだ時に、カチッという音と共に固定するために必要な部品です。純正品はプラスチック製で、壊れるとJoy-ConがSwitch本体にロックされずに簡単に抜けてしまうようになります。金属部品に交換することで強度が上がります。スティックのドリフト現象とは関係ない部品です。
  • フィルム部品
    Joy-Conの裏蓋に固定されているフィルム部品でL、R用の2種類があります。Joy-Conの修理作業中に誤って破損させた場合などに使用するものです。スティックのドリフト現象とは関係ない部品です。
  • ボタンカバー(キャップ)
    Joy-Conのスティックに取り付けて使用するカバーです。使ってみると意外にいい感じです。

良い修理キットを見極めるポイント

交換用のスティック部品は、当たり外れがあるものです。大体の商品が2個以上付属しているため、ここで優劣を見極めるのは難しいです。

一方、付属している工具は様々です。ここで修理キットの良し悪しを判断できます。

ドライバーの持ち手が金属製か

金属製なら力を入れてもドライバーが曲がる可能性が低くなります。磁気ドライバーであるかもチェックしましょう。

余計な工具が付属していないか

スティック部品の交換に必要な工具は限られます。必要ない工具は無駄でしか無いので、安易にたくさんの工具が付属しているものを選ばず、自分に必要な工具が揃っているものを選びましょう。

おすすめは星形&トルクス精密ドライバー付き

私が実際に購入したのは、下記の商品です。

(外部リンク)Amazon : Switch NS Joy-con対応 コントロール 右/左 センサーアナログジョイスティック 交換用 2個 キャップ付き

ドライバーの持ち手は金属製で、磁気吸着機能が付いています。Joy-Con修理にブラシは不要なのですが、ブラシの持ち手がオープニングツールとして使えるようになっていて、Joy-Conのバッテリーを外す時に活躍しました。

ドライバーは先端のビットが交換可能で、Joy-Con修理に必要なY字とプラス以外に、星形(Pentalobe)のP2(0.8)、P5(1.2)や、9種類のトルクス(Torx)にも対応します。P5やT5ドライバーはMacBook ProやAirの分解にも活躍するため、持っていて損にはなりません。

私は当たりを引いたのか、交換スティック部品は2個とも正常動作しました。迷っている方は、是非購入してみてください。

コメント